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8月 2013

外国での暮らし 経験

最後の”ごちそうさま”

”ごちそうさま。” という自分のノドから発せられた音が、 部屋全体に響いた。 この部屋で、この台所で火をかけて何かをこしらえ、 そして食べる、最後の食事。   空は暗く、一日中清々しい夏日の後の、 静か、でもないいつもの夕暮れ。     ひとが、生まれかわるその前というのは、 ほんとうに死んだような感じがするのだなあと その皿を前に 一切食欲がわかないまま ただ口にそ […]…

外国での暮らし 経験

結びのとき

最後の、ほんともうゴールの紐が見えてるくらい いちばん最後走り切るときが一番きついよ。 ものごと完結させるのが、 ずっと苦手だったわたし。   マラソンはいちばん苦手 トラック5周の1000メートル走を、 他の生徒が終えた頃 いつもまだ1周以上は残っているという 尋常じゃない足のおそさは わざとやっているように見えるくらい 冗談みたいだった。       今 […]…

外国での暮らし 経験

旅の終わりの終わり

バーモントの賑やかさから、ニューヨークへの静けさへと戻る。 視界にはいる風景の90パーセントがグリーンだったのが、 人やビルや看板に埋め尽くされるシティの風景が徐々に増えてきたあたりで 車酔いも手伝ってウッと吐き気がするおもいがした。   こんな場所で、当たり前のように毎日暮らしていたんだと思うと、 この身体の器官のあちこちを文字通り麻痺させながら ひとは様々な環境に順応してゆくのだろう […]…

外国での暮らし 経験

Attachment 節目・最後の家族

これから始まる次のチャプターを目の前にして、 わたしのアメリカでの生活の皮切りとなった場所バーモントにて 最後の日々を、当時を辿るようにして過ごしている。 あのときスリングの中ですやすやと眠っていた生後6ヶ月のテルーラは、 もう小学校へ通う大きいお姉さんで、泥だらけで乱暴な兄と弟の間で 二人よりもずっともっと野性的に 今もかわらず掘りたてのにんじん片手に 文字通り裸足で野原を駆け回る あのときひと […]…