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台所

紅い実と自分で焼くワッフルのこと

その男はセックスまでも神経質な男だった。 なんていうか、くせのない、つまらない普通のセックスは、比較的嫌いと言うわけではない。ただ淡白でも暖かみとか、不器用でも優しさとか、そういう人間ぽい営みがわたしは好きだから、普通でよいのだけど、彼の場合は普通というか、神経質な感じがした。 とりたてて不具合があったとか、何か言われた記憶は全くなくて、酷くノーマルな短いセックスは、気持ちよくも痛くも痒くもなくて […]…

経験

一途に色々ひっさげて。

産まれる前から好かれていた。 というのは、普通のことだ。 普通のことなんだけど、いいことも悪いことも知ってきてるってのは、掃除から始めないといけないこともあるってことで。 それで、産まれる前から好かれていた。 というのは嬉しいことだ。 まあまあロマンチックだし、「君のことはずっと昔から知ってるような気がする。」 と言われることは、こうやって書くとどこにでもありふれてる台詞ぽいけど 実際感じる懐かし […]…

しぜん

重なる色の上を

唄うように、歩く。 その月の明かりに耳を澄ませて 何度でも 自分に 恋に落ちる。 蝉の声が 最後の一匹になるその朝陽に ひとつの季節が終わり すずむしの声が鳴り響く夜に、 あたらしいきせつはもう、始まっている。 昨日と明日が、重なりあう その淡く揺れる色の上を 今日が何色か 確認するように、 生きる。 <8月と9月の間>…

台所

わたしの青春を返して。

ブラウニーを食べたらレーズンが入ってたときの、落胆といったらもう。 わたしの青春を返してよ。 っていう気分になる。 そこにくるみかチョコレートチップでも入っていた日には、スカッと晴れた日に爽やかな木陰まで堪能できたくらいご機嫌だけど。   レーズンが立ち入るのを許される神聖な場所なんて、この世にあるの? 5分くらい考えてみたけど、やっぱり無い! 青春だけじゃなくて、その5分も返してよ! […]…

バケーション。

そうか。 恋はわたしにとって仕事で、 ライフワークで、 だから恋が無い短い期間は バケーションなのか。     なんたる人生。  …

経験

月曜日に似ている、恋の無い安息日

ニューヨーク、時々元恋人   恋と恋の狭間にいる自分が、とても好きだ。 それはほとんど恋しか知らない自分が、何かに本当に打ち込んでいるときにだけ 稀に偶然起こる、砂の中に混じった砂金みたいに 凛と目立つ。 淡々としていて、冷たくて、それでいて、恋を追いかけているその感じ。 ちょうどそれは、月曜日に似ている感じがする。    …