ひとりごと

戦う女

戦う女の、顔がある。

何かに追われ、何かを追いかけ、そこには男がいる。

戦う女を見ると、いろいろなことを思う。

わたしはこんな顔をしていないだろうか?いつかきっと、こんな顔をしながらハイヒールを履いて、平日の新幹線のグリーン車に乗って、仕事のことばかり考えていたのだろうか?

と。

私が居る場所だけ、そっと守られているように、戦う女が戦わなくてもいい場所であるといいな。と思った。

戦いを放棄させるのも、多分わたしのしごとなのだ。

平日のグリーン車は今日も、戦う男たち、ときどき戦う女、わたしで静かに満ちている。

子育て

なんでもない日の祝福を

ハサミが好きになって最近いろんなものをチョキチョキしてる4歳に、新しいハサミを買った。

ホームセンターで普通に買い物して、お誕生日でもクリスマスでもない普通の日。

もうじき歯が抜けそうで、怖い怖いと言っている早熟な4歳に

歯が抜けたらハサミをプレゼントしよう。

なんでもない日に毎日ささやかなことを目一杯祝福できる、そんな人生にしたい。

経験

一途に色々ひっさげて。

産まれる前から好かれていた。

というのは、普通のことだ。

普通のことなんだけど、いいことも悪いことも知ってきてるってのは、掃除から始めないといけないこともあるってことで。

それで、産まれる前から好かれていた。

というのは嬉しいことだ。

まあまあロマンチックだし、「君のことはずっと昔から知ってるような気がする。」

と言われることは、こうやって書くとどこにでもありふれてる台詞ぽいけど

実際感じる懐かしさとか「知ってる」感覚は、やってみると何とも甘美で、

愛がどんな感触で、どんな風に時空を越えるかを教えてくれる。

罪を償ったり、愛を受けとったり、誰かをもう一度幸せにしようと試みたり

時を越えて、いろいろ引っさげてまで

なにかを繰り返しやろうとする魂は

とても健気で一途だと思う。

経験 表現・創る・書く

それは幻か記録か事実か

すっかり忘れていることがあって、

それは多分幻では無いと思うんだけど、記録を消してしまったことで

すっかり忘れてしまっていたのだった。

 

記憶は、記録がないと、忘れてしまう。

消えはしないので、思い出すことはできるけども、記録というのは便利なものだ。

 

そう、あの時確かに彼は、

わたしがどれだけ彼の言葉が嬉しかったか、どれだけ彼のことを愛しているかを

淡々と綴ったものを、「読ませて」と言った。

 

 

読んで、

 

「ウン。書きなさいね。好きに。」

 

と言ったのだ。

 

忘れてたな。

 

静かに過ごすことで、見えてくるものがある。

言葉を失うことでしか、見えてこない言葉がある。

 

記録と記憶もまた、似たようなもんかも。

一生そんな感じ。

 

しぜん

重なる色の上を

唄うように、歩く。

その月の明かりに耳を澄ませて 何度でも 自分に 恋に落ちる。

蝉の声が 最後の一匹になるその朝陽に

ひとつの季節が終わり すずむしの声が鳴り響く夜に、

あたらしいきせつはもう、始まっている。

昨日と明日が、重なりあう その淡く揺れる色の上を

今日が何色か

確認するように、 生きる。

<8月と9月の間>